2010年8月5日 アナログデザイナーのIT変遷記/kasttbs
『Windowsはなぜデザイナーたちに受け入れられなかったか』より引用
Microsoft が Yahoo! にフラれた。まぁ、日本の場合だけですけどね。大体、Bingなんて検索、皆さん使ってますか?
先日のJacquesさんのエントリー『実は多くなかった検索エンジン』によるとBing1998年に「MSNサーチ」立ち上げ(エンジンはInktomi)。
1999年にInktomiとLooksmart併用に切り替え。
2006年にMS製エンジンの「Windows Liveサーチ」スタート。
2009年にBingブランドへ変更。
via jacques.bloggers-network283.com
ということですが、まだ正式な日本語版が出たばかりで、どう贔屓目にみても Yahoo! JAPAN がそれを選ぶとは思えません。
Microsoftは僕にとってはよくわからない会社です。あんなにOSやブラウザのシェアが高く、一時はこの世の春を謳歌していたにも関わらず、 特定の分野においてはそのシェアが完全に逆転しています。知られたところではサーバOSの分野ですが、デザイン・DTPの世界も同様で、 Microsoft、つまりWindowsOSのシェアが未だに圧倒的に低い分野なのです。今更ですが一度は書いておきたかったので、今回はこういう話 を。
仕事道具としての在りし日のMacintosh
デザイン分野(ここでいうデザインは、主に印刷を目的としたグラフィックデザインのことを指しています)でWindowsがまったく無視されてきた というわけではありません。振り返ると、Windowsがデザイン・DTPマシンのOSとして進出する機会は確かにありました。1990年代中頃あたりの ことでしょうか。
前々回のエントリー『我々は完璧ではない』で も書きましたが、この分野のデファクトスタンダードマシンだったMacintoshはあまりにもフリーズやクラッシュが多すぎて、データ消失やOSの再イ ンストール、HDの入れ替えなどが日常茶飯事でした。それでもMacOSやMacintoshを代替できるマシンの選択肢は無く、デザイナーは徹夜をしな がら泣く泣くファイルを作り直し、これを使っていました。
少なくとも実際には、「デザイナーって、Macを使ってておシャレね」などというイメージとは雲泥の差があったといってもいいでしょう。もっと安定 して使いやすい環境が現れたら、それに乗り換えたかったデザイナーやオペレーターは少なからずいたはずです。この時点で、Windowsには大きなチャン スがあったと思います。デザイナーもクライアントとのデータのやり取りではWindowsファイルを扱っており、Windowsも95が主流でビジネス的 にも安定したOSと思われていたため、移行するのにあまり抵抗はありませんでした。
その頃はスティーブ・ジョブズがAppleを追われていて、プロダクトデザインとしてのMacintoshも今のように洗練されていたとはいえない時期です。では、なぜ飛ぶ鳥を落とす勢いだったMicrsoftは、その分野を乗っ取ることができなかったのでしょうか?
満たされなかったWindowsの制作環境
その理由を以下に列挙しますが、かなり敷居が高かったといわざるを得ません。
- 制作アプリケーションの対応が不足
- フォントシステムの問題、印刷レベルのフォントの不足
- ポストスクリプト言語への対応が不足
- WYSIWYGの実現性に問題
- UIの稚拙さ
- Microsoftのデザイン・DTP業界に対するコミットメントが希薄
これらはパソコン上で印刷原稿を制作する上で、つまり、それまでアナログでおこなっていたデザインや版下制作〜製版という作業を、DTPというデジ タル工程で置き換えるためには絶対にはずせない機能や条件でした。これが満たされないパソコン(OS)は、いくら安定していようが価格が安かろうがお話に ならなかったのです。
中でも重要だったと思うのは6番目です。これさえまともにおこなっていたら、大部状況は変わっていて、Appleはもう存在していなかった可能性さ えあります。それだけAppleという企業は、デザイン・DTPを始めとしたメディア要素を制作する業界に強力にコミットメントしていたわけです。
今思えば、当時のMacintoshが頻繁にクラッシュしていたのは、印刷や動画、音楽用のデータという巨大な容量のファイルを常にハンドリングし なければならなかったことにも原因があったような気がします。WindowsのOfficeファイルのようなデータ量とは桁が違うのですから、例えばビジ ネス用途で使うWindowsマシンで印刷データを扱っていたとしたら、とても安定していたとは思えません。
クラウド環境、電子書籍の時代にWindowsはどうする
その後、Appleは瀕死の危機を迎えたものの、ジョブズが復帰し、MacはUNIXベースのOS(今に続くXシリーズ)を採用して安定性を増し、 復活していくことになります。この頃から、アプリケーションやフォントの対応状況はユニバーサルになりWindowsOSでも遜色なく使えるようになるこ とはなりました。
しかし、Windowsディスプレイのカラー表現の問題や、いかにもMacOSXの後追いをしているとしか思えない中途半端なUIは、何よりも正確 さにこだわり人マネが嫌いなデザイナーたちが、作業環境としてのWindowsに食指を動かせない原因になっていることは否めません。
Webデザインの分野ではWindowsのシェアもそこそこ高いので、DTPが印刷というものを前提としない時代になる今後に、はたして、 Windowsがその分野のプロ制作者たちのシェアをMacから奪うことが出来るのかどうかは見ものです。ただし、iPhoneやiPadという AppleマシンがOSとともに跋扈し始めている現状では、かなり心許ないことではあります。MicrosoftがAdobeを買収…とかになったら話は 別ですけども。 (引用終了)
私はMacOSについては、ちょっと触ったことがある程度ですが、OSとしては非常によくできた美しいものだというイメージがあります。プラグアンドプレイであったり、出た当初からオーディオファイルや画像などのマルチメディアデータの取り扱いを想定していたりとか、操作性、アイコンデザイン、アプリのインストールやアンインストールの簡単さなど、とてもよく考えられた洗練されたOSだったと。
自由度が高くて、リベラルなツールというイメージがあります。
ただしかし、あのフリーズの多さがやはり問題としては大きかったのでしょうね。
Windowsには、あまりいい印象はありません。バージョンが変わるたびに、結構、見た目は大きく変わったような気がしますが、それがよい方向に変わったという感じがしない。アイコンに影がついたり、画面の切替にアニメーションがついたりしても、ふ~んて感じ。余計なとこにリソース使って。みたいな。Vistaの時はその辺の画面の効果は止めて使っていました。
Windowsの発明は、右クリックですかね。コンテキストに従ったメニュー表示は確かに便利。
今使っているWindows7については満足しています。本来、OSなんてもんはその存在を意識させちゃいけないようなもんじゃないかという気がしますけど。
OSといえば、iPad がひとつの革新をもたらしたのだと思いますが、売れ行きはどうなんでしょうね。発売当初こそ売り切れ品薄入荷待ち状態でしたけど、今はどうなんでしょう。あんまり爆発的に売れてるという印象もないんですけど。お財布シェアの点で、iPhone4とカニバっちゃったかもしれません。それでも、iPadは、長期的にみれば普及・浸透していく商品だと思います。WindowsのタブレットPCとは設計思想が違うからね。Windowsをタッチで操作するんじゃなくて、タッチを前提としてOSを根本から創ってる訳だから。
さて、OSの話題といえば、あとはGoogleのChromeOSですね。どんな感じなんでしょう。アプリはサーバに任せてロースペックでサクサク動くPCが登場すれば、更に値段は安くなるんでしょうね。なんか、インドあたりで激安パソコンとかでたらしいし。100ドルどころじゃない、数十ドルレベルの安さだって新聞でみたような気がするけど。スペックはともかく桁違いの値段ですよね。ひとり1台が当たり前になっていくんだろうな。コミュニケーションのツールとして考えるとよい方向だと思う。パソコンにストラップでもデコレーションでもなんでもつければいいと思うよ。でもひとり1台になるには少し時間がかかるかもだなぁ。どんなに安くたって、必要がない人は買わないもんね。
それにしても、パソコンが消耗品になる時代がすぐそこだってことだ。コモディティ化。使い捨てパソコンとかね。出張先で買って、その時だけ使って、後はリサイクルとか。そこまでいかなくっても、2年おきくらいでパソコン買い換えてたら、快適に使えるんだろうなー。
って、なんだかとりとめのない話しになってしまいましたが、この投稿の本来の目的は、上にあげたkasttbsさんのブログを全文引用したかった、ということなんであります。面白かったから。
多謝
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