インターネットは私たちの生活を変えた。程度の差は様々ではあるが。そして今もなお変えつつある。ネットにつながる時間は次第に長くなっている。ネットとのコミュニケーションは、次第に幅広く、そして深くなっていく。もちろん、今はまだ、リアルな世界に生きている時間の方が長いのだけれども。
確実に、人々の生活の姿がネットによって影響されている中、はたして企業はどのようにネットと付き合っているのだろうか?マーケティングにおいてインターネットは重要な顧客接点である、という認識はすでに10年前のネットバブルのころから継続的に浸透しているとは思う。SEOやSEMといった考え方も、企業の中の広報担当者やマーケティング担当者の間には広まっているのだろう。だが、それ以外の企業人にとってはどうだろう?
各社の経営者は、ネットについて十分理解しているのだろうか?そもそも経営者ってネット使ってるの?わかんないけど。パソコンも、ネットも、ケータイも、実際に自分で使ってみないことには、その意味はわからないだろう。ミクシイだって、セカンドライフだって、自分でやってみないことにはやっぱりそのサービスの意味を理解することはできないだろう。ネットの世界が体験=Experienceというものを重要視しているのは、それが従来の人間の経験とは全く別物であるからなのだ。まったく新しいものであるからこそ、それをどのように体験させるかということが、その設計が重要視されるのだ。
人々が、言い換えると消費者が、ネットに接続している時間が増える中、企業はネットとどう付き合っていくべきなのか?まあ、どう考えてももっと真剣にネットと付き合う必要があるのは確かなことだ。なぜならネットはコミュニケーションをフラットにするから。ネットにおいては、企業は消費者と1対1で向き合うことになる。ひとりひとりと対等の立場で向き合うことになるのだ。そのことを理解しない企業は、長期的にみて道を誤ることになるであろう。
ネットにおいて、企業はその消費者と向き合うことになる。ひとりひとりの顧客のことを考えなければならなくなる。自社の都合ではやっていけなくなるだろう。本当の意味での顧客志向が求められるようになるだろう。消費者の発言力が強くなれば、そういう方向に行くはずだ。企業と顧客の双方向のコミュニケーションの場として、ネットはその存在感を増していくはずだ。企業は顧客と1対1で向き合うことが求められるようになっていく。今以上に。顧客に対して、企業がどんな価値を提供できるのか、あらためて検証が求められるようになるだろう。
企業はネットを軽視してはならない。ネットが、たんなる新しい広告媒体だと思っていると、いずれ痛い目をみることになる。
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