先月、Lady GAGAが来日していたそうです。6月25日の東日本大震災被災地支援イベント『MTV VIDEO MUSIC AID JAPAN』出演のため。
来日時に収録した「徹子の部屋」が明日、7月11日に放送されるそうで。その時のGAGAの衣装がすごい。高さ40cmの厚底靴プラットフォーム・シューズに50cmまで巻き上げたヘアスタイルで、推定身長2m50cm。黒柳徹子と並んだツーショットはまるで「何の特撮現場だ?!」といった感じ。いや、インパクトなのは徹子のヘアスタイルの型の衣装の方だ。これは言葉では説明しがたいので写真をご覧ください↓
ガガのセンスは吉本系だと誰かが言っていたが。確かにお茶目だ。
意外性をとことん追求し、人を驚かせることに突き進む姿勢は小林幸子にかぶらないでもない。
しかしその路線を徹底して突き進むその生き方を私はリスペクトする。その常識を破壊する様はいっそ小気味よい。たとえ笑われても、後ろ指差されても、意に介さず、"Born this way" と暴走する姿はむしろすがすがしい。
何しろこの人、やたら高いヒールをはきたがるので、時には人前でずっこける。気取ったファッションでカッコつけて闊歩している時にずっこけるのはかなりカッコ悪いものだが、この人はそのリスクをとって生きている。
あのセンスを単なる目立ちたがりだとか、「俺たちヒョーキン族」並みだという人もいるが、エンターテインメントなんだから別にいいじゃないかと思う。人目を引いてなんぼだ。人を楽しませてなんぼだ。そのために全力を注ぐことの何が悪いのか。まさにLady GAGAはそのことに全力をかけている。リアクションを得ることを最重要視している。
ギリギリまでいくから、時に笑いを誘う。「ヘン!」な姿になる。でも彼女はそれを恐れない。更に先へと突き進む。ヘンな方向の極限へ向かって。常識破壊に向かって。
たとえばこんな風に
http://wykg.blogspot.com/2009/12/lady-gaga.html
http://portra.blog42.fc2.com/blog-category-7.html
http://matome.naver.jp/odai/2129187839596083401/2129187857696086403
いやしかし、Lady GAGAは、ネットの進む方向を理解しているという声もある。GAGAにとっての音楽とはネットの中を流れ、人々の間を共有されていくデータストリームであると彼女は言う。小川浩氏によると公式サイト、ブログ、YouTube、Twitter、Facebook等のソーシャルメディアをGAGAはうまく活用している。
アゴラ 誰もがLady GAGAになれるわけではないけれど(小川浩)
FacebookにあるGAGAの次の言葉は印象的だ。
Lady GAGAのFacebookのページには当然、GAGAの書き込みに対するファンからのコメントが多数寄せられ、インタラクティブでかつ、動的なサイトになっている。そして公式サイトもまた、Twitterと連動してとても頻繁に更新され、ダイナミックなサイトになっている。ある意味、Facebookともよく似たつくりだ。サイト上にファンの声がたくさん並ぶということは重要な意味を持っているかもしれない。少なくともイマドキだ。
Lady GAGA on Facebook: http://www.facebook.com/ladygaga
Lady GAGA on Official Site: http://www.ladygaga.com/
Lady GAGA on Twitter: http://twitter.com/#!/ladygaga
Lady GAGA on MySpace: http://www.myspace.com/ladygaga
ちなみにTwitterには11百万人ものフォロワーがついている。
ガガの芸人魂というか、アーティスティックなアティテュードを表すエピソードとしてはそのツアーにカネをかけ過ぎて興行的に赤字だという話だ。嘘かホントか知らんが。でも彼女ならやりかねんという気になる。本気度が半端ないからだ。プライベートでも常にガガファッションだと言うその言葉が嘘には聞こえないからだ。
【海外】レディー・ガガ、派手すぎるコンサート・ツアーが大赤字なことを告白
そして最初のリンクにもあったように、今回のチャリティイベントに対して日本政府からの感謝状にガガが涙をみせたとあるが、そんなフォトも。↓
日本支援のためにブレスレットもつくったというし。この人、本気なのだろうか。本気でピュアなのだろうか。
少なくともその過激さは本気だと信じる。
ところで、この緑の髪の写真、あと、Facebookのこの写真とか、誰かに似ていると思ったら。
冗談ですよ。冗談。どっちもリスペクトしてますわたくし。
追記
Lady GAGAが有名なのは、その歌でも楽曲でもなくそのファッションの奇抜さによる話題性のためだろう。それが総てという訳ではもちろんないが、最初に注目を集めるのは何よりもそのファッションだ。
ショック。インパクト。インプレッション。
エンタメに必要なのは、そんな要素。そう。注目されなかったら、エンタメの意味がない。自分のためだけの音楽もあるだろう。だが他人に伝えようと思うのならばまずはじめには注目を集めなければ。インパクトとインプレッション。
さてそのガガの奇抜なファッションだが、現在のそれは美しさを目指しているというよりは、ただひたすらに意外性を追求しているように思う。常識を破壊するというアイデア先行というか、アンチが先にあるというか、いささかに観念論的なところがある。
まだまだ頭で考えているという感じだ。
これを続けていく先に興味がある。ガガが自分の中の常識を破壊し尽くした時、彼女は自由を手に入れるだろう。壊すことへのこだわりから自由になった時、真のクリエイティビティに到達するのではないか。
衣装という概念を捨て去った後には、布とか皮とかいう概念も不要となる。身にまとうは固体である必要はない。それは液体であっても気体であってもよいはず。或いはジェルでも。ボディペイントでも。
特撮のような着ぐるみも途中にありそうな気がするが。
最終的にはネイキッドにいくような気がする。身体を張った肉体表現として、ネイキッド以上はない。
アンチを乗り越えたLady GAGAを見てみたい。その先を。自由になったその姿を。
私もまた、自由というものを激しく希求する者のひとりであるからだ。
■関連記事
さらに追記
■Lady GAGAについて考えるために参考になるブログ
Lady Gagaに見る、著作権の枠組みはやっぱりおかしい 松本淳
Lady GAGAのメッセージはマイノリティの肯定らしい koba_b
Lady GAGA, AKB48, 少女時代を貫くモノ koba_b
さらにさらに追記(2011年8月17日)
レディ・ガガとソーシャルメディアとの関係についての分析。ループス コミュニケーションズの矢野 悠貴氏のブログ「Entertainment × Social Media」より。メディア戦略とかなんとかいっても、やっぱコンテンツが大事だよなーというおはなし。
LADY GAGAに学ぶソーシャルメディアへのコンテンツ最適化 2011/08/11
確か、テレビでミッツ・マングローブが、レディ・ガガについて二丁目の雰囲気がある。といってました。そこで、レディ・ガガについて面白い記事を見つけました。
http://allabout.co.jp/gm/gc/381964/2/
昨年5月に発売された伝記本『レディー・ガガ』は、(デビュー2年目で伝記本が出るっていうのもスゴイのですが、さらに)驚くべきことに、約1/5がゲイに関する記述で占められていました。
とあり、
下積み時代、かなりの時間をニューヨークのゲイクラブで過ごし、山ほどパーティをしたといいます。そして、今のような成功があるのはゲイの応援があったからこそ、なのです。「やっとメインストリームに手が届きそうになったとき、私を押し上げてくれたのはゲイのみんなだったわ。私は、彼らのためなら何でもしたし、彼らも私のために力を尽くしてくれた。今の私があるのは、ゲイコミュニティのおかげなの」
ここまでのストーリーはマドンナなどとあまり変わりません。ゲイのファンたちが自分をスターダムに押し上げてくれたし、とても感謝しているわ、だからいつもゲイへのアピールを忘れないの。
しかしガガは、さらにその上をいき、「私の本質はゲイよ(中身はゲイそのもの)」と語り、そういう「お友達」というレベルを超えて、ゲイのセンスや価値観そのものを表現してきました
また、次のページでは、
『エンタテイメント・ウィークリー』誌のインタビューで「奇抜なファッションが自分の性的魅力を高めているか?」と聞かれたガガは、こう答えています。「そんなにセクシーではないと思う。変だもの。自分の写真を見ると『男が女装してるみたい! すごい、私、グレース・ジョーンズみたい!』って思う。性別を超越したロボットみたいな未来ファッションの女王よ。それを見てアレが硬くなる男はいないと思う」
また、ジャーナリストのヴァネッサ・グレゴリアディスは、「ガガは、自分のことを『女のように見える男を好きな女』と言っているが、自分が男に見えること、ドラァグクイーンに見えることも好んでもいる。これがマドンナと違う点だ」と語っています。
いわば、彼女のファッションは、女が演じるドラァグクイーンだというのです。その意味でLADY GAGAとは、LADY GA(Y)+GA(Y)かもしれません。性染色体で女性はXX、男性はXYとなりますが、女性であるレディガガは、Y染色体をわざわざはずして芸名にしたのか、そんなことまで考えてしまいました。
投稿情報: Account Deleted | 2011/07/10 21:11
>やっとメインストリームに手が届きそうになったとき、私を押し上げてくれたのはゲイのみんなだったわ。私は、彼らのためなら何でもしたし、彼らも私のために力を尽くしてくれた。今の私があるのは、ゲイコミュニティのおかげなの
なるほど!そういうことなんですね。
投稿情報: Account Deleted | 2011/07/10 22:00