2011年3月11日14時46分、東北三陸沖を震源とする大地震がこの国を襲った。マグニチュード9.0。最大震度は宮城県北部で震度7。
そのエネルギーは阪神大震災の1,000倍だという。
地震。津波。火災。原発事故。通信障害。東電の計画停電。首都圏の鉄道各線の電車の運休。物流の停滞。ガソリンの欠乏。弁当、パン、カップ麺、懐中電灯、乾電池、ティッシュ等が店頭から消えた。株安。円高。みずほ銀行のシステムトラブル。
いろいろな災いが次々とこの国を襲う。なぜこんなに立て続けに起こるのか。
現状把握ができていない。この災害の中で、これからどうなるのか。情報がない。地震から1週間以上がたち、ニュースではいろいろ映像も流れているが、被害の全体像がみえない。どこにどれ位避難民がいて、水や食料はどれ位あるのか。物はどのルートで流れているのか。普通に暮らしている人はどれくらいいるのか。
原発の危険は実際、どれ程のものなのか。最悪の想定ではどんなことが起こるのか。
これからどうなるのかわからない。先の見えない不安が覆っている。
首相官邸のホームページの57ページのレポートによれば、様々な組織の様々な人々が動いていることがわかる。しかしこのレポートでは全体像がわからない。どれくらいヤバイのか。まずはざっくりと全体像をつかまなくてはどれだけのリソースをどこに注ぎ込むべきか判断できないのではないか。
現状の全体像を把握して対策の方向性を示すコントロールが効いていないこの状況にあっては、自分達で必要な情報を集め、自分達にできることを判断して行動できる自立的組織としての自衛隊がほとんど唯一、有効に機能していることがわかる。 自己完結型の組織の強みか。自分に何ができるかわかっているということは大切なことだ。
恐らく、今、それが首相にはわかっていない。情報を集めて整理する能力。それは個人に求められるべきものではない。組織としての情報処理能力。それが今の政府に欠けている最大の欠点ではないか。
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