過去にマイクロソフトはヤフー買収を企てて果たせなかったが、今回、提携という形で手を結んだ訳だ。
ヤフーの検索エンジンをマイクロソフトが今後10年提供し、ヤフーがマイクロソフトに対して広告を供給するという。マイクロソフトが技術を、ヤフーは広告営業を、ということ。
なんだか、あんまりワクワクするような話題ではない。ビジネスの話しだ。未来に対するビジョンを示すようなものではない。
マイクロソフトにとっては広告収入が欲しい訳だから、まあ、妥当な落とし所だろう。
それも検索連動広告だけで、バナーなどのディスプレイ広告は今回の提携の対象外だそうだ。
ワクワクしないのは、マイクロソフトの検索技術というもののイメージがわかないからだ。検索で重要なのはレイティングだ。グーグルはランキングと言ってるんだっけ?検索結果に対する重みづけだ。検索結果をどういう順番で表示するかというロジック。アルゴリズム。
ここら辺って、微妙にテクノロジーの領域をはみ出しているような気がする。人間が、どんな情報を重要だと考えるかという、心理とか、意味づけとか、言語とか、そっちの領域に近いテーマであるように思う。
もっとも、グーグルはそっちの方向から攻めてるんじゃなくて、あくまでも数学的に、統計データの解析としてランキングしているんだろうが。どっちにしてもグーグルのアルゴリズムはブラックボックスな訳だが。おまけに毎日のように小さな変更を加えているというし。
マイクロソフトは、検索技術面では自社でグーグルに対抗できると踏んだ。足りないのは広告業界での営業力だと考えた。ヤフーの営業力を手に入れればグーグルと闘えると。
先日、グーグルが発表したパソコン用OSの話しの方は、もうちょっと話がでかいような気がする。ビジョンを提示しているというかさ。「もう、パソコンなんてネットにつながればそれでいーんじゃないの?」っていう提言だ。「パソコンにあれこれ重たい機能を持たすのやめて、もっと軽くしようよ。んで、サクサク動くようなのつくろうよ。」
そういう提案なのだと思う。
私の心ははるかにこちらに近い。
今のパソコンに対する最大の不満は、起動まで待たされることだからだ。Web画面の表示に時間がかかるからだ。ニーズの解決提案をグーグルはしている。
一方で、今回発表されたマイクロソフトとヤフーの提携については、我々ユーザはあまり関係ない。「ふーん」て感じ。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。