人と話をしているときに、どうしても話がかみ合わないことがある。どんなに努力しても話が通じないことがある。
そんな時はたいてい話しのレイヤがあっていないものだ。お互いに同じテーマについて話し合っているつもりでも実は話しの土俵が違っていたりするものだ。
つまりはお互い全然違う話題を語り合っているという訳だ。コミュニケーションのミスマッチにはこういうケースが非常に多いのだと思う。お互いに同じ言葉を使っていても、意味するところは全然違っていたりするということだ。
言葉の定義の違いということ。そういうことって意外に多いように思う。話をしている前提条件がお互いに全然違っている。自分にとっては当たり前のことなので、当然、相手も同じように分かっているはずと思いこんでしまう。
ところが実際にはまったく違うことを同じ言葉で表現していたりする。いわゆる暗黙の前提というやつだ。前提が違うと話がかみ合う訳がない。
同じ言葉を使っていてもすれ違うことが多いのは、まずその言葉の意味する範囲。スコープ。例えばマーケットという時に、若年層など特定の世代を意識してセグメントを意識して語っている場合と、エリアを意識して語っている場合では、その言葉で伝えたい内容はまったく違っていることがある。その言葉で世界を語っていることもある訳だ。国内マーケットをイメージしている人とグローバルを当たり前のようにマーケットととらえている人では同じ土俵で語り合えるわけがない。
そしてもうひとつ、すれ違いが多いのはタイムスパンである。時間軸のイメージだ。市場規模について語っている時に、現在の市場を語っているのか、5年程度の将来も含めたポテンシャルについて語っているのか。あるいは1年後の市場を語っているのか。
当たり前と言えば当たり前のことだが、実際、コミュニケーションの中ではこのような前提の違いによって話がすれ違うことが多い。特に最近、そのことを痛感している。今日のように変化のスピードが激しい時代には、考慮すべき条件、仮定や前提としておくべきパラメーターがたくさんある。ある話題を語る時に、無意識に設定している暗黙の前提条件が多数あるということだ。語られない前提条件が。
語るべきことがたくさんあるということ。前提条件を明確にしてから議論を始めるべきだということだ。
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