Googleが携帯ビジネスを始めるらしいという噂がネットを駆け巡っている。
ベールの向こうに秘密を隠す情報統制力にまずは讃辞を奉げよう。
彼らがモバイルビジネスを検討している(それもかなりのリソースをかけて)ことは間違いないが、それがどんなものなのか、憶測が憶測を呼んで、かなり楽しいことになっている。
一体、どんなものが出てくるのか、想像するだけでも楽しいぢゃないか?
今しばらくはいろいろ想像して楽しむことができる。頭の体操にもなるし、MBAの課題にだってなりそうだし、競馬の予想みたいなもんでもあるし、暇つぶしにも最適な話題だ。知的ゲームとして最高なテーマじゃないか。ビジネスが上手いんだか下手なんだかわからないが、とにかく技術力はとんでもないGoogleが、いったいどんな手をしかけてるくのだろう?想像するだけでわくわくしてこないか?
最初の仮説は、GoogleがMVNOとして既存の携帯キャリアの設備を借り受けて、広告モデルによる無料の携帯電話サービスを提供するというものだ。ケータイがただで使えるならいーじゃん。それいーよ。使いたいよ。でも、電話するたびに最初に広告聞かされるのはどうよ?15秒か、30秒か知らないけど、電話のたびに音声広告が流れてくるというのは、やっぱりうざい気がする。音声情報はシンプルなだけにその時間が長く感じられるような気がするね。
そんじゃあ次の仮説として、電話はただじゃないけど、メールには広告を挟む代りに通信料がただならどうだ?よくわかんないけど、アメリカ人はケータイでメールするんだろうか?ブラック・ベリーという通信機能を持ったPDA端末がアメリカで普及してるという話は聞いている。料金無料のブラック・ベリー的なメール端末という可能性はある。だが、メールにいちいち広告がのってくるというのはいかがなものだろう?やっぱりウザくて、あんまり広告効果がないのではないだろうか?読み飛ばされる広告は広告としての価値がない。
アメリカでブラック・ベリーが流行っているといっても、メールを読むのが主体で、送信はそんなにしていないのではないか?そうだとすると、メールに広告がいちいち差し挟まれても、広告効果はあまり高くないのでは?
また、Googleが電波を取得してケータイ・キャリアになるという選択肢もある。だがしかしキャリアになるということは設備投資がかさむので、それを広告費で賄うというビジネスモデルは現実性に欠けるような気がする。投資がでかすぎる。広告費で賄いきれるかどうかについては大いに疑問が残る。
あとは携帯電話機メーカ向けにGoogleが携帯端末向けOSを提供するという可能性もある。これが一番、Googleのとる可能性としてはありそうな気がする。いろいろなメーカと組んで無償のモバイルOSをGoogleが提供するというパターン。OSの機能として通話やメールやサイト閲覧の際に広告を露出するというものだ。キャリアフリーでかつ端末メーカフリーであるという点で、ビジネスチャンスとしては極めて大きなカバレッジをもつビジネスモデルであると思う。シンビアンやウィンドウズモバイルと競合するというものだ。
ソフトウエアのベンダーとしてのGoogleには最もありそうなパターンだと思う。
そして最後にアップルのiPhoneのように、ハードウエアとしての電話機端末を無償で提供するというパターンだ。iPhoneの成功はGoogleを刺激するに十分なインパクトをもっているとは思う。だがしかし、これはGoogleが最も得意とするソフトウエアの世界をはみ出すモデルであるし、アップルと同じようにキャリアを固定してしまうと、ビジネスチャンスを狭めてしまうものでもある。ハードウエアとしての端末を提供するということは、OSも込みで提供するということでもあり、それだったらOSに特化して、様々なメーカとキャリアに広く対応する方が、ビジネスとしてのチャンスは大きいような気がする。ハードウエアの製造は、ソフトの開発とは全く異なる世界であり、この世界ではGoogleの優位性は発揮しにくいように私には思える。
はてさて、一体、Googleはどんなビジネスモデルで我々を驚かせてくれるのであろうか。
いずれにしてもとっても楽しみなことではある。
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