インドの35ドルタブレットはAndroidマシン ~寝たふりモードでネタ拾い by 松本淳 より引用↓。
昨日(大ニュースがあったので遠い昔のような気がしますが)、インドの35ドルタブレットがついに出た!という記事を書きましたが、このマシンのスペックがこちらに出ていました。
India Now Aims For $10 Android Tablet
OS: Android 2.2
Processor: Connexant with Graphics accelerator and HD Video processor
Memory (RAM): 256MB RAM / Storage (Internal): 2GB Flash
Storage (External): 2GB to 32GB Supported
Peripherals (USB2.0 ports, number): 1 Standard USB port
Audio out: 3.5mm jack / Audio in: 3.5mm jack
Display and Resolution: 7” display with 800x480 pixel resolution
Input Devices: Resistive touch screen
Connectivity and Networking: GPRS and WiFi IEEE 802.11 a/b/g
Power and Battery: Up to 180 minutes (2-3 hours)on battery.これを見る限り、安手の中華パッドと大差ありません。実際、記事によると、ほとんどの部品は東アジア製でインド国産品はほとんどないそうです。以前の噂で、中国製品ではないかと言われていたのが、半分は正しかったわけですね。
ひとつ予想を外したのが、OSがカスタマイズしたLinuxディストリビューションではなくAndroidだということでしょう。OpenOfficeを動かすとか言っていたのは、結局諦めたのかもしれません。Webアプリで代替するほうが合理的という判断なら、それは正しいと言えるようにも思います。スペックの低いタブレットで何もかも処理しようとするよりは、端末と割り切ったほうがずっと使い勝手が向上すると思います。
そして、この記事では、「さらに10ドルのタブレットにも挑戦する」と書かれています。それはいくら何でも無理だと思うのですが、インドの低価格化への挑戦は続くようです。それはそれで、ひとつの正しい方向性であるのかもしれませんね。
via mazmot.bloggers-network283.com
松本さんの言う、この言葉。「スペックの低いタブレットで何もかも処理しようとするよりは、端末と割り切ったほうがずっと使い勝手が向上すると思います。」 その通りだと思います。
そもそもタブレットコンピュータというマーケットを創り出したiPad。そのiPadはマルチタスクを捨て去り、シングルタスクに割り切った端末でした。
複数のアプリケーションを同時に立ち上げ、切り替えながらカットアンドペーストでコンテンツを創りあげるというようなことはできない。Illustrationで画像を創ってPhotoShopでエフェクトを加えて加工することはできない。
イラスト作成にしても、精密な絵を描くというような作業には(おそらく)向かない。指でタッチして操作するというオペレーションは精密な作業には向いていないと思う。
パソコンのそうした使い道を、iPadは切り捨てた。
その代わりに、軽快で簡単な操作性、ユーザインターフェースを提供したのがiPadという端末。使いやすい、ユーザフレンドリーなコンピュータ。なんでもできる高機能ではなく、使い勝手にフォーカスした端末。コンテンツビューワーに近い。情報表示装置。インプットよりもアウトプット重視。
そのコンセプトにおいて重要なのは簡単さと軽快さ。起動スピードや動作スピードも操作感には大切だ。Simple & Speedy.
iPadにはキーボードもマウスもない。USBの口もプリンタをつなぐ口も外部ディスプレイの接続口もない。周辺機器と接続するためのインターフェースが、30ピンDockコネクタという独自規格とヘッドフォンジャックしかない。シンプルだ。限定的とも言える。CD-ROMやDVDドライブもない。それはシンプルさを追求した結果であろう。本体の薄さ。持ち運びやすさ。ソファでもベッドでもどこでも使えるというポータビリティ。
入力手段としてはタッチパネルディスプレイの他に、カメラとマイクを備えている。が、入力のメインはネットとの接続だ。既にしてネット端末と呼んでいい。はじめから巨大なコンピュータネットワークであるインターネットのノードとして設計されている。末端のノードだ。ネットとリアル世界の接点だ。
考えてみると、クリエートよりもビューワーに近い端末というものはコミュニケーションのための道具である。情報交換のツールだ。その意味では通信端末と言えるだろう。
データをローカルのドライブに置かずに、ネットの中に置く。クラウドに置いて、端末はそこへのアクセス手段とする。その発想はGoogleのChrome OSも同じだ。目指すところは同じ。ネットにアクセスするための軽快に動作するシンプルな端末。その点ではChrome OSはコンセプトの発表こそ早かったがその実現においてはiPadに大きく水をあけられてしまった。Androidとの違いも明確ではなくなってしまった感がある。Amazonもまた低コストなクラウド端末としてKindle Fireをリリースして追撃している。パーソナルコンピュータにおいて、とりあえず次の方向性は確定したといってよいだろう。シンプル&スピード。
Chrome OSマシンのレビュー記事 ~寝たふりモードでネタ拾い by 松本淳
それにしてもスティーブ・ジョブズは過去に様々なものを捨ててきた。Power Macintoshでは過去のソフトウエア資産の継続性を捨て、SCSI(スカジー)インターフェースを捨て、フロッピーディスクドライブを捨てCD-ROMドライブを捨て、USBコネクタを捨て、有線LANの接続口を捨て、マウスとキーボードも捨てた。Flashの再生も。レガシーインターフェースをそれにつながる周辺機器ごと過去のものとして捨て去る。それは先へ進むための決断であった。
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パソコンがクラウド端末化したときに、それでも重要な性能は描画性能と入力インターフェイスでしょうか。そう思うと、CPUよりもGPUという最近のハードウェアの流れも理解できたりしますね。
投稿情報: Account Deleted | 2011/10/08 14:36