おはようございます。当ブログへようこそいらっしゃいました。
「ネットの未来記@ブロガーズネットワーク翼」というこのブログ、本日、新装開店リニューアルオープン再起動でございます。リニューアルなんだけど、ほとんど新規オープンでもあるという、その辺の事情について、「ブロガーズネットワーク翼」誕生秘話の物語を一席。リニューアルご挨拶も兼ねてお話しいたします。
A long long time ago in a galaxy far, far away ...
それは今よりも少し昔のこと。あるところにCNET Japanという王国がありました。亜米利加という国に本拠地を持つCNETは、Web世界のIT系ポータルサイトとして周辺諸国と限られたユーザアクセスを巡る激しい争いを繰り広げておりました。
その王国には読者ブロガーと呼ばれる選ばれたブロガーたちがおりました。彼らはユーザを味方につけるために王国によって選ばれた者たちであり、自らの志願に基づいて、自身のプロフィール、ブログのテーマ、サンプル記事、5つの投稿予定記事の概要等を王国に提出し、審査を受けた者たちでありました。その審査は時に1ヶ月から2ヶ月に及んだとも伝えられています。
そしてその数は100人とも200人とも、或いはそれ以上とも言われその真相は未だに明らかになっておりません。
生まれも育ちも年齢も、そして経験値も職業もスキルも体力値もレベルポイントもバラバラな彼らブロガーは、それぞれの見地に基づいて様々なテーマについてのブログを、王国領土内に借り受けた場所において書き連ねておりました。そのブログの数々は豊かな多様性に満ちていたといいます。王国の注目度に由来する自主的な規律と、各々のブロガーの自由奔放度及び個性との間にある種のバランスがあったためとも言われています。
ところがある日、彼ら読者ブロガーのもとに王国から一通のメールが届きます。
それは読者ブロガー制度の廃止についての通知でありました。
その通知から約1ヶ月の後に王国のサイト全面リニューアルにあわせて、彼ら読者ブロガーの王国からの追放と、彼らがこれまでに書き続けてきた過去のブログの完全消去を伝えるものでした。
突然の最終通告を受けた彼らは、ある者は感謝の言葉とともに静かに終焉を受け入れ、またある者はその唐突な解散宣言に戸惑いと過去の蓄積を抹殺することに対しての批判の声をあげ、またある者は新たなる土地への移転に向けての支援策として過去ログのバックアップデータ提供と公式な説明を求めました。
しかし彼らに対する王国からの理由の説明はなかったのです。
その後のおよそ1ヶ月に渡る混乱の時期の中で、王国が彼らブロガーの中から一部の者たちをピックア ップし、その彼らにリニューアル後の王国内でのブログの継続を約していたことが明らかになりました。ブログを残す者と消す者とに選別するというその計画は、双方のブロガーに対して更なる混乱を引き起こしたのでした。なぜなら消される者たちが様々な反発を示す中で、線引きの基準も知らされぬまま残されることになった者たちは、そのことについて他のブロガーたちへのシンパシーと選別への戸惑いを覚えたからです。
混乱の最中、ブロガーの中から過去のブログデータを記録として吸い上げる技を編み出し、仲間達にその技を用いてブログ移転の支援を申し出る者が現れました。そしてまた、沈黙を守り続けた王国はやがてその後、一度だけ読者ブロガーに対する通知を行い、同じような技により過去のデータを吸い上げる方法を読者ブロガーに伝えたのです。
これら2つの技により、彼らの刻み込んできた過去のブログの記録が完全消失することは免れることとなりました。
王国はついに一度もそのサイト内で読者ブログ廃止、そしてサイトリニューアルについて公式な発表を行うことなく沈黙を続ける中、ブロガーたちはそれぞれの進む道について自らのブログやそのコメント欄、また新たな相互伝達手段であるTwitter等を通じてその思うところを語り続けました。
王国から再び選ばれて新生後の王国ブログに残る者、ブログをやめて今後は沈黙を守ることを告げる者、新たに別のサイトでブログを立ち上げる者、以前から続けていた自分の個人ブログに戻る者。かつて読者ブロガーと呼ばれた者たちは、こうして分断され、それぞれの道を歩み始めることを表明してゆきました。
そうして予告されたある日、王国は一夜にしてリニューアルを成し遂げました。そこにはかつての面影はなく、名前は変わらないながらも中身は別なものとして王国は生まれ変わりました。
読者ブログとして書き続けられてきたそれまでの投稿記事の削除について、王国からサイト上で告げられることはついに一度もなかったのです。
こうしておよそ1ヶ月にわたる混乱の時をへて、CNET Japanの読者ブロガーは離散の道を辿ったのです。
しかしその過程の中にひとつ、小さな動きが生まれていました。
離散の道を歩み始めていた者たちに団結を呼び掛ける者があったのです。それは朝之丞という名のブロガーでした。過去のブログを残すための技を生み出し、その技で他のブロガーを助けたその人です。
かつて同じ王国内でブログを書いた者で新しい共和国をつくろう。その者はそう呼び掛けました。
ちりぢりばらばらになることをよしとせず、ひとつの場でお互いのブログを参照しあい刺激を与え合う。そのような場を目指して新たな国をつくろうという動きがやがてひとつの形を結びました。
それがこのブロガーズネットワーク翼という新しい場なのです。それは様々な出自をもつブロガーが、ブログというただ一点において互いに緩やかに結び合う共同体の誕生でした。
このブロガーズネットワークが今後、アクセスを増やして大きく成長していくのかどうか。その行く先がどのようなものになるのか。それは誰にもわかりません。しかし、ネットの世界におけるひとつの小さな波が、新たに、そして確かに生まれたのでありました。
このようにして『翼』という形で物語は続いてゆくこととなったのです。
※この物語はフィクションです。事実を記録として残すことが目的ではありません。この一連の出来事の記憶を物語として語ること。物語としてのこの話には誇張や省略、及び脚色が含まれています。しかし新たに始まる物語の始まりの記憶として語っておきたかったのです。
傑作です。物語としても。
>このブロガーズネットワークが今後、アクセスを増やして大きく成長していくのかどうか。その行く先がどのようなものになるのか。それは誰にもわかりません。
確かに、そうです。
でも面白い試みには違いありません。時には力技が必要かもしれませんが、自然な形で盛り上がっていくことが理想ですね。
投稿情報: Account Deleted | 2010/06/18 09:18
新たな国の王様を引き受けたのは、滝沢朗ではなく朝之丞さんという話ですか?
//
投稿情報: ルート134 | 2010/06/18 10:37
kasttbsさん
コメントありがとうございます。
この新しい場所で書き始めるのにあたって、自分の中でけじめをつけるというか、区切りをつけたいと思ったのでした。物語として語ることで過去のことにするというか。
そしてここから新しい物語が始まる。
投稿情報: 鍛冶 哲也 | 2010/06/19 12:59
ルート134さん
コメントありがとうございます。
この新たな国は共和国なので王様はいません。
冗談はさておき、朝之丞さんにとても感謝しています。
昔、「大統領のように働き、王様のように遊ぶ」というCMコピーがありましたが、朝之丞さんの場合は大統領の方しかやっていないのではないかと心配で。
ところで滝沢朗さんという方は残念ながら存じ上げませんのでコメントできんのですが・・・
投稿情報: 鍛冶 哲也 | 2010/06/19 13:08
>ところで滝沢朗さんという方は残念ながら存じ上げません
そりゃ、残念。
「東のエデン」という深夜アニメの主人公です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E3%81%AE%E3%82%A8%E3%83%87%E3%83%B3
セカイカメラみたいなシステム(画像認識ベースの集合知「東のエデン」)も出てきます。他に個人用シンクタンククローラー「世間コンピューター」など。
放送最終回で主人公が大規模テロから日本を守った後、
(記憶では)「・・・この国には利口なヤツはいるけど、馬鹿になれるやつがいないよね、だからおれをこの国の王様にしてよ」と、コネと金でなんでも迅速に成し遂げるJuiz(ジュイス・優秀なコンシェルジュスパコン)に電話しました。
「受理されました」と答えが返ってきたけど、続編の劇場版などを見ていないので、その後は知らない。
//
投稿情報: ルート134 | 2010/06/19 22:15
ルート134さん
滝沢朗さんの解説ありがとうございます。
いや、こんなコメント欄においとくのがもったいないくらいの簡潔にしてうまいコピーですこれ。なんか興味を刺激されて、ちょっとみてみたくなっちゃうもんこのアニメ。切り取り方がうまいとゆうか。
投稿情報: 鍛冶 哲也 | 2010/06/20 23:31