前回の投稿、「[お題]Facebookは流行ると思いますか?その6 熊坂さん」でも少し触れたが、8月31日からmixi は企業に対してサイト開設を許容するとともに、企業でも個人でも利用可能でmixi にログインしなくても閲覧可能なmixi ページを始めた。
mixiページは「mixiタウン」構想の第1歩 ~ITmedia
これまでmixi は人と人とのつながりを重視するサービスとして、広告に対しては慎重な姿勢をとってきたように思う。サイトが広告で埋め尽くされ、うるさいと感じられることがないように、配慮を払ってきたように思う。
そのmixi が企業のページを認めた。それも無料でだ。ITmediaによると、その方向性は大企業の宣伝獲得ではなく、どちらかというと近所のレストラン、居酒屋などの身近なショップの情報を充実させたいという指向のようだ。クーポン発行の機能追加なども考えているようだ。
ITmedia の記事にもあるように、mixi ユーザにはサークルの掲示板のようなノリで、リアルな友人同士のコミュニケーションに利用する人と、コミュニティなどを通じた共通の興味関心によりネット上での新たなつながりを求める人の2種類がいるようだ。mixi のスタート当初には後者のネットでの出会いを求めるオープンな志向をもつユーザが多かったように思うが、利用者拡大にともなってユーザニーズも多様化してきたのだろう。そのニーズをmixi はホーム志向とタウン志向と呼ぶ。mixi ページは、よりオープンなタウン志向なニーズへの対応だとする。
そんな新しい方向性を出したmixi の初めの一歩であるmixi ページについて、もとITmediaの記者である岡田有花さんがTwitterでコメントしている。興味深い内容なので引用してみる。
mixiページの対応はみな、速かった。TwitterやFacebookを経由して、ソーシャルメディアに慣れてきている。だが同時運営はたいへんなので効果の高いプラットフォームに集中するほうが効率的。プラットフォーム同士のガチバトル(ユーザーによる選択と集中)が始まりそうです。 http://twitter.com/#!/yukatan/status/110181341559144448
まだ導線がしっかりしていませんが、公認アカウントから移行してきたmixiページの盛り上がりは、公認アカウント同様にいい感じです。アメブロのコメント欄みたい。 RT @straydog_osaka @yukatan mixi オンリーの人たちの反応ってどうなんでしょ? http://twitter.com/#!/yukatan/status/110182197062930432
そうか、mixi日記は読み手やその先を交流を想定して書かなくてはならない雰囲気があるが、mixiページはもっと自由で、一方的に発信していい雰囲気なのかもしれない。だからラクに感じるのかな。 http://twitter.com/#!/yukatan/status/110183587722182656
mixiページがなぜ気持よく見えたのかがわかってきた、きがする。mixi特有のネチネチさ(それは交流の濃さであり、決して悪いことではない)みたいなものが、ないのかもしれない。 http://twitter.com/#!/yukatan/status/110184103478968320
理想はそうですが超めんどくさいので(私ももう無理・・・)、メディアの選択と集中をせざるをえないと思っとります RT @bonlife bonlife同じ内容垂れ流すのはアレですよね。それぞれのメディアの特性(なんてない?)を活かして欲しいな。 http://twitter.com/#!/yukatan/status/110185245004922880
mixiページは反応率が低い一方で、「相互フォローお願いします」的なスパム(mixi文化上ではスパムではないが、私個人的には見たくないでスパム扱いさせていただきます)が多くてちょっと辟易する http://twitter.com/#!/yukatan/status/110279019391492096
その岡田さんはmixi の今後の方向性について取材し、ITmedia に記事を書いています。
「総合力」で迎え撃つ mixiの“全方位戦略” ~ITmedia
私自身もユーザとして、mixi は友達という関係が強く、日記などを書いても見てくれる人の数が少ないのでオープンなブログに書く場合との使い分けをしています。なにしろmixi のコンテンツはGoogle検索にのらないので。その意味では今回のmixi ページというオープンな方向性は個人的には正しい方向だと思う。オープンとクローズドのいいとこ取りとして。早いとこmixi ページ使ってみなくちゃな。
もうひとつ、個人的にはmixi のレビュー機能はおもしろい。本や映画や音楽作品についてのほかの人のレビューをみるのはおもしろいと思っています。
本文中で触れた岡田有花さんだが、IT戦士ゆかたんの愛称で、ネットでは相当有名らしい。なにしろWikipediaにものっているくらいだ。
その知名度はITmediaという媒体での活動もあるのだろうが、Twitterでの個人としての情報発信による影響が大きいのではないだろうか。
単に媒体で記者として記事を書いているだけではここまでの知名度にはならなかったのではないかと思う。個人としての情報発信によるブランディングの成功例ではないだろうか。(Twitterのフォロワーが約2万5千人。これはハンパない数字だと思う。)
「ウェブ進化論」の梅田望夫氏のいう個人の時代の情報発信のモデルケースじゃないだろうか。
本文で紹介した半分メディア的なmixiページもゆかたん自身のページをつくっているし、Facebookページも公開している。Google+もだ。自分自身で体験した上で情報発信するという基本の上に立って発信しているが、それにしてもよく情報発信している。
わかりやすく伝える文章力もあるし情報を選択するセンスもいいのだろうが、アイコン画像のかわゆさも読者獲得の大きな武器になっているのでは?
見栄えというものも大事だと思う今日この頃である。
ちなみにゆかたん、ケータイの入力がめっぽう速いらしい。どうでもいいことかもしれないが・・・ http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/0307/10/n_top10.html
投稿情報: 鍛冶 哲也 | 2011/09/25 07:16