「プロマネって、なにさ」 それでも開発は続くよ 草木 生
・・・・・・例えば公認会計士とか税理士がITコーディネータなる資格を取って情報システムのコンサルをできる、なんて錯覚を起こすことがある(総務省が旗振りをしているのが一番の問題)。
公認会計士とか税理士の仕事は、経理・税務がきちんと商法にのっとって行われているか、財務諸表としてIRに堪えうるものであるかをチェックする仕事であり、決してシステム(仕組み)を構築する仕事ではない。
例えば、
・飲食店チェーンで店舗売上の日次比較を行いたい
そんなニーズから起こされる要求仕様は、店舗比較のための物差し(100平米と300平米の店をどう比較するか、ロードサイドと住宅地とどう比較するのか)を揃え、前年同月比、天候別、曜日別、時間帯別客別構成、メニュ別売上、棚卸在庫などとその場で言い、どこまでそのデータが揃ってますかと質問し、顧客レベルを測り、どのようにプロジェクトを組み立てるかをその場でホワイトボードに書いていくのが私の仕事であるわけなんですね。
via soumokushow.bloggers-network283.com
草木 生さんの上記ブログを読んで考えたこと。
会社というものは案外、複雑なもので、それを理解することはなかなかに難しいものです。それは、人の集合であり、生産設備であり、資産のカタマリであり、カネの流れであり、取引の流れでもあり、ブランドでもあり、顧客を獲得するチカラであり、ニーズを汲み取り実現化する動きであり、何らかの付加価値を生み出すためのものであり、マネジメントの仕組みであり、実に様々な側面を持つ。
会社を理解することはとても難しい。社長が会社のことを全てわかっている訳ではない。現場が会社のことをわかっている訳ではない。つまりは誰もわかっていない。
それを何とかわかるようにするために、いろいろと努力するのが経営というものであろうか。
日別、週別、月別、年別に売上を比較したり、商品別にみたり、地域別、組織別、顧客層別にみたり。様々な比較を通じて現実をつかもうとする。他社と比べたりね。人間は比較によって理解する。人は概念によって考え、概念とは類似性と差異によってつくられているから。それは言葉の特性。
だが、数字はまだ理解しやすい。比較が容易だからだ。けれど、組織力とか営業力とか改革力といった数値化できない能力については、なかなか理解が難しい。数字は結果を示すが、これらの能力はプロセスにかかわるものだから。結局、会社というものは人の集まりであるから。
会社を理解するということは、人間を理解することともつながるのだと思う。単体としての人ではなく、組織としての人についてであるが。
そして、会社というものを理解するための試みは、いまだ成功していないのだ。
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