失われた未来。
今から10年と少し前、Windows95とISDNによるダイヤルアップでのインターネットが普及に向けて動き始めた頃、インターネットは世の中を変える新しい技術として一部の期待を集めていた。そうした動きを表す当時のはやり言葉は「マルチメディア」だった。
情報通信に関する流行語はそれから「IT」、「ブロードバンド」、「モバイルの時代」と移り変わり、今にいたる。
この間、アップルやマイクロソフト、インテルといった会社がパソコンの性能向上に力を注ぎ、パソコンは文書作成や年賀状印刷(笑)、計算のための機械から音楽や写真、映像を扱う能力を身につけ、インターネットを通じてコミュニケーションのためのツールへと進化してきた。
今、インターネットは当たり前のものとして普及し、私達は日々の生活の中で当たり前のようにその恩恵を受けつつ暮らしている。ネットやケータイのない生活は考えられないという人も多いことだろう。
そして今、私達はこれから先、向かうべき未来を見失っている。どこへ向かうべきか目標を失っている。
「ユビキタス」。いつでもどこでもネットにつながる環境。しかしそれは完全ではないにしても、ケータイによって既に半ば実現されている。
それは目指すべき未来ではなく、すでに姿を現しつつある現実である。
これから10年先を魅力ある未来として表現する言葉を私たちは持たない。
創り出すべきはこれから進むべき未来の見取り図。
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